コレクション: 便利堂

明治20年創業の美術印刷、美術出版を行う印刷会社。明治38年にコロタイプ工房ができ、以来美術図録や美術品複製にコロタイプが用いられてきた。法隆寺金堂壁画や高松塚古墳の壁画の再現、尾形光琳の「風神雷神図屏風」の複製など、輝かしい実績を誇る。コロタイプ印刷は、①木版画のようにすべての色を別々に刷る、②写真のネガフィルムをそのまま版に用いるので、点の集合(網点)ではなく、連続諧調の滑らかな濃淡表現、③耐久性の強い和紙を使用し、長期保存も可能、④ベテランの職人が手作業で行い完成度が高い、などの特徴を持つ。現在コロタイプは世界でも希少な技法となっており、日本では唯一、便利堂のみが多色刷コロタイプで文化財複製を行っている。